司法書士事務所 所沢 債務整理 相続 財産管理 法律相談

               ______________________________     
成年後見
成年後見制度
 成年後見制度とは、成年後見人等を選任することにより、認知症、知的障害、精神障害等により判断能力が不十分な成人を保護・支援する制度です。
 例えば、認知症になった高齢者が不必要で不当に高額な家のリフォーム契約を結んでしまった場合や知的障害者が不当に安い賃金で雇用契約を結んでしまったような場合に、高齢者や知的障害者に成年後見人等が選任されていれば、成年後見人等がこれらの契約を取り消したり、代理人として契約したりするなどにより、高齢者や知的障害者を保護することができるようになります。
 成年後見制度は、判断能力が十分でない方の保護を図りつつ、自己決定権の尊重、残存能力の活用及びノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を作るという理念)を基本理念としています。したがって、日用品などの日常生活に関する買い物などは、本人の意思に基づき自由にすることができ、取消しの対象となりません。
イメージ写真 イメージ写真
>>ページTOPへ
法定後見と任意後見
成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。
法定後見制度
 法定後見制度は、民法の規定に基づき家庭裁判所によって選任された成年後見人等(成年後見人・補佐人・補助人)が、本人の利益を考えて、本人を代理して契約をしたり、本人が自分で契約するときに同意を与えたり、本人が同意を得ないでした不利益な契約などを後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援する制度です。
 法定後見制度には、後見、保佐、補助の3の類型があり、後見は、判断能力が欠けているのが通常の状態の方を、保佐は、判断能力が著しく不十分な方を、補助は、判断能力が不十分な方を対象としています。
(1)後見
 精神上の障害により判断能力を常に欠く状態にある方について、成年後見人を選任し、被後見人を保護・支援します。成年後見人には、広範な代理権や取消権が付与されます。すなわち、後見人は被後見人の代わりに被後見人のために契約などの法律行為ができたり、被後見人が第三者にだまされて高額な買い物をしてしまったときには、後から後見人が取り消すことができたりします。ただし、自己決定権尊重する観点から、日用品(食料品や衣料品等)の購入などの日常生活に関する行為は除かれます。
(2)保佐
 精神上の障害により判断能力が著しく不十分な方について、保佐人を選任し、被保佐人を保護・支援します。本人がお金を借りたり、保証人となったり、不動産を売買するなど法律で定められた一定の行為については、保佐人の同意を得ることが必要になります。保佐人の同意を得ないでした行為については、本人又は保佐人が後から取り消すことができます。ただし、自己決定を尊重する観点から、日用品(食料品や衣料品等)の購入などの日常生活に関する行為については、保佐人の同意は必要なく、取消しの対象にもなりません。
  また、家庭裁判所の審判によって、保佐人の同意権・取消権の範囲を広げたり,特定の法律行為について保佐人に代理権を与えることもできます。この場合は、自己決定を尊重する観点から、当事者が、同意権等や代理権による保護が必要な行為の範囲を特定して、審判の申立てをしなければなりませんし、保佐人に代理権を与えることについては、本人が同意する必要があります。この申立ては、保佐の申立てとは別にしなければなりません。
(3)補助
 精神上の障害により判断能力が不十分な方について、補助人を選任し、被補助人を保護・支援します。家庭裁判所の審判によって、補助人には、特定の法律行為に関する代理権や同意権・取消権が与えられます。ただし、自己決定を尊重する観点から、日用品(食料品や衣料品等)の購入などの日常生活に関する行為については、補助人の同意は必要なく、取消しの対象にもなりません。
 なお、補助人に同意権や代理権を与えるためには、自己決定を尊重する観点から、当事者が、同意権や代理権による保護が必要な行為の範囲を特定して、審判の申立てをしなければなりません。この場合は、本人自らが申し立てるか、本人が同意している必要があり、補助の申立てとは別にしなければなりません。
>>ページTOPへ
財産管理契約
 財産管理契約は、病気などにより身体の自由がきかなくなったり、自分で日常の生活に必要な金銭等の管理等が困難になったりした場合のことを考えて、自己の財産の管理を他人に委任する契約です。
 財産管理契約は、契約当事者の合意により他人に委任する事務の内容を自由に決定することができるので、財産の現状を維持行為や財産を利用し改善する行為はもちろん財産を処分する行為を委任することができます。
イメージ写真
 成年後見人は、被成年後見人の財産管理権限を有しますが、家庭裁判所の監督下でその権限を行使します。財産管理契約による財産管理人については、これを監督する者があるわけではないので、自分自身でできる管理と自分では行わずに他人にまかせたい管理を明確に区別して契約すべきです。また、高齢者については、任意後見契約との併用をお勧めします。 なお、保佐人及び補助人については、裁判所から付与された代理権の範囲において、家庭裁判所の監督下で財産管理に関する事務を行うことができます。
法定後見申立の流れ
STEP.1 相談
 ・人の判断能力が不十分になってきたのではないか…。
 ・判断能力がなくなってしまったのではないか…。
 ・自分での財産管理を行うことに不安を覚えるようになった…など
 まず最初に、現在の状況をお聞かせいただきます。御都合のいい時に来所いただくか、こちらからお邪魔して、成年後見制度などについて説明するなどしたり、お話を伺ったりします。
STEP.2 申立準備
 相談の結果、成年後見制度を利用することになったら、申立の準備を開始します。
  司法書士が、本人の御家族の方や支援する人に同席していただいて、本人と面接を行います。本人の意向をふまえて、後見・保佐・補助の類型のうちのどの類型の審判を申し立てるべきか、誰を成年後見人等の候補者とするか等を打合せして、決定します。申立に必要な戸籍謄本等の書類を収集するなどの申立のための準備を始めます。
STEP.3 家庭裁判所への申立
 申立書、必要な添付書類及び申立てにかかる費用を用意して、家庭裁判所に後見開始等の申立てを行います。事前に裁判所と打ち合わせの上、申立人、本人及び成年後見人候補者が同行して、申立をする場合もあります。
 この申立は、本人、配偶者、4親等内の親族、検察官等がすることができます。
STEP.4 家庭裁判所による調査
 申立人、本人及び成年後見人等候補者が家庭裁判所に呼ばれて事情を聞かれます。
  推定相続人がある場合には、家庭裁判所から後見等開始の申立自体や成年後見人等候補者に関して意見照会が行われます。
  また、「後見」「保佐」を利用する場合には、先天性の障害など明らかな場合を除いて、原則として本人の精神状況について医師その他適当な者による鑑定を要します。なお、成年後見制度「補助」では、原則的に診断書で足りますが、判断能力の判定が困難な場合は鑑定が行われることがあります。
STEP.5 後見等開始の審判
 家庭裁判所は、調査が終了して、申立内容が適切だと判断すると、本人にとって適任と考えられる人を成年後見人等に選任して、成年後見等を開始する審判をします。通常は、申立書の成年後見人等候補者が選任されることが多いのですが、事案によっては候補者以外の司法書士、弁護士、社会福祉士等が成年後見人等に選任されることもあります。
STEP.6 審判の告知
 後見開始の審判がなされると、家庭裁判所は、本人及び成年後見人等に選任された者に対してその結果を通知又は告知します。
STEP.7 審判の確定
 後見等開始の審判がなされても、即時抗告をすることができるので、審判が確定する必要があります。審判は、成年後見人等に選任された者に告知された日から2週間以内に即時抗告がなければ、確定します。
STEP.8 後見人等の職務開始
 審判が確定すると、後見等が開始しますので、成年後見人等は、成年後見人等としての職務を開始することができます。
  家庭裁判所は、審判の確定により後見等が開始すると、職権で後見等が開始されたことの成年後見登記を申請します。この登記をすることにより、成年被後見人、成年後見人等の住所・氏名、成年後見人等の権限の範囲等を証明する登記事項証明書の交付を受けることができるようになります。
>>ページTOPへ
任意後見制度
 任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公正証書で締結して、本人の判断能力が低下した後には、任意後見人が、任意後見契約で決めた事務について、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督を受けながら本人を代理して契約などをすることによって、本人の意思に従った適切な保護・支援を可能とする制度です。
任意後見申立の流れ
STEP.1 相談
 身寄りのない高齢者などで、今は元気だが、病気になったときなど、将来の財産管理が心配だという方は、気軽に御相談ください。
STEP.2 任意後見人候補者の選定
 任意後見制度は、判断能力が十分あるうちに、将来、心の病気や認知症により判断能力が低下したときに援助して欲しい事項をあらかじめ決め、前もって自分が信頼できる人に対して将来の援助を委託する制度です。
  どのような内容の援助を希望するのか、その希望する支援内容を十分に実現できる人がどのような人かを検討して、適切な候補者が絞れたら、任意後見人を依頼します。
  任意後見の受任者が決定したら、将来の不安や心配事について、どのような支援を受けたいか、受任者と話し合い、支援の内容を決定します。
STEP.3 任意後見契約の締結
 任意後見契約は、公正証書によって締結しなければなりませんので、本人と任意後見受任者とが公証役場に出向いて、任意後見契約を締結します。病気等で公証役場に出向くことができないときは、公証人に出張してもらうことも可能です。
  法定後見の後見人報酬は、その職務内容をみて、家庭裁判所が決定しますが、任意後見の場合は、この契約によって定めることになります。
  公証人は、任意後見契約が締結されると、職権で契約内容に関する成年後見登記を申請します。
STEP.4 任意後見監督人選任の申立
 本人の判断能力が低下して、任意後見を開始する必要があるときは、任意後見監督人の選任を家庭裁判所に申し立てします。
 この申立てすることができる人は、本人、配偶者、4親等内の親族及び任意後見受任者です。
STEP.5 任意後見監督人選任の審判
 申立があると、家庭裁判所は、本人の精神状況等について医師等の意見並びに本人及び任意後見監督人候補者の意見を聴くなどの手続きが行った上、任意後見監督人を選任する審判をします。
STEP.6 審判の告知
 家庭裁判所は、任意後見監督人選任の審判をすると、本人及び任意後見受任者に対してその結果を告知します。
STEP.7 審判の確定
 家庭裁判所は、任意後見監督人選任の審判をすると、本人及び任意後見受任者に対してその結果を告知します。
STEP.8 任意後見人の職務開始
 任意後見監督人選の審判がなされても、即時抗告をすることができるので、審判が確定する必要があります。審判は、任意後見監督人に選任された者に告知された日から2週間以内に即時抗告がなければ、確定します。
>>ページTOPへ